抄録
我々は当科で利尿薬抵抗性難治性胸・腹水患者と診断され,トルバプタンを投与した22例を対象とし,治療効果に関する因子について検討した.
平均年齢は66.7歳,原疾患としてHBV 1例,HCV 8例,アルコール2例,その他11例,肝予備能はChild-Pugh B 6例,C 16例,トルバプタン投与量は3.75 mg/日が4例,7.5 mg/日が18例であった.トルバプタン投与により肝不全や門脈血栓症を含む54.5%の症例が体重減少を認めた.無効群は血清BUNが有意に高く,underfillingの状態を反映していると考えられた.無効群は尿中Na濃度が有意に低値であった.飲水制限を行うことで著効する症例を経験した.以上より,トルバプタンはunderfillingの病態で効果不良となることが考えられ,BUNや尿中Na濃度がトルバプタンの治療効果を予測する可能性が示唆された.