2019 年 25 巻 2 号 p. 148-152
67歳女性.C型肝炎ウイルスによる肝硬変の診断にてA病院通院.外来経過中,肝性脳症が増悪し,内服加療にてもコントロール不良となり,血小板低値も認めた.脾腫,脾動脈瘤を伴うChild-Pugh class C肝性脳症C型肝硬変の診断で当院紹介.部分的脾動脈塞栓術(partial splenic embolization:PSE)を先行し,その後に肝性脳症の主たる原因は門脈から左胃静脈,上大静脈への短絡路によるものと診断し,同門脈-大循環短絡路に経皮経肝的門脈側副血行路塞栓術(Percutaneous Transhepatic Obliteration:PTO)を施行した.PTO後に肝性脳症は改善,肝予備能はChild-Pugh class Aに改善し,IFN free直接作用型抗ウイルス薬(direct acting antivirals:DAA)導入し,その後Sustained Viral Response(SVR)が得られ,肝予備能もさらに改善した.