日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
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原著
門脈圧亢進症に関連する消化管病変における肝硬度・脾硬度の臨床的意義
竹下 英次廣岡 昌史田中 孝明橋本 悠丹下 和洋花山 雅一八木 専山本 安則小泉 洋平渡辺 崇夫吉田 理徳本 良雄阿部 雅則池田 宜央日浅 陽一
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2020 年 26 巻 4 号 p. 237-243

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抄録

門亢症に伴う出血リスクとして門脈圧亢進症性胃症(PHG),胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)は食道胃静脈瘤(EV)と同様に重要である.近年,門脈圧と肝・脾硬度の相関について報告されているが,本研究ではPHG,GAVEも含めた消化管出血リスクを評価し,肝・脾硬度との関連を調べた.対象は上部消化管内視鏡検査と肝・脾硬度を測定した92名.EV,PHG,GAVE,および治療歴から定義した門亢症関連消化管病変(PHRGL)と肝・脾硬度等の関連を解析した.EVは41.3%,PHG 43.5%,GAVE 9.8%に合併していた.PHRGL有無別での肝硬度は2.114 vs 1.802,脾硬度は2.621 vs 2.263と各々合併群が高かった(p<0.05).PHRGL合併に寄与する因子は血小板数,脾硬度,アルブミンであった.PHRGLは肝・脾硬度と関連し,特に脾硬度がその囲い込みに有用であった.

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© 2020 日本門脈圧亢進症学会
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