2022 年 28 巻 1 号 p. 15-23
食道静脈瘤に対する安全かつ効果的治療を達成するには,治療適応・禁忌例の把握,各種治療薬の作用機序の熟知,患者の病態と門脈血行動態からみた最良の治療戦略,各種治療手技の習得と熟練,起こり得る合併症とその防止対策の把握などといった総合的な知識力や手技の習得が重要である.特に,治療前の患者の病態の把握は,安全な治療を行うために不可欠であり,さらに門脈血行動態の把握(EUS,3D-CTによる解析)は,安全かつ効果的な治療を遂行するために極めて重要である.特殊な血行動態として,血流量の多い巨木型食道静脈瘤(pipeline varix)や危険な食道壁外シャントを有する静脈瘤があるが,これらの症例に対しても安全かつ効果的な治療手技を習得しておくことが不可欠である.それぞれの患者の病態や門脈血行動態に応じた適切な治療戦略こそが,食道静脈瘤治療を成功させる重要なポイントである.