日本門脈圧亢進症学会雑誌
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総説
TIPS保険収載への道
荒井 保明
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2022 年 28 巻 1 号 p. 11-14

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抄録

新規医療技術が保険収載されるためには,①使用する医療機器の薬機法での承認,②当該医療技術のエビデンス,の2つが制度上必須である.TIPSのエビデンスは一程度あるかもしれないが,我が国にはTIPS用に薬機承認されたステントが存在しない.よって,学会の活動の如何に関わらず,現状ではTIPSが保険収載されることは制度上あり得ない.企業の活動に期待がかかるが,現状の日本市場は企業にとって魅力がない.しかし,これは保険未収載における結果であり,我が国にTIPSが必要ない訳ではない.すなわち,学会の最も重要な使命は,我が国に潜在するTIPS市場についての正しい学術データを社会に提示することである.規制当局は決して敵ではないが,制度は一朝一夕には変えられない.学会には,制度を正しく理解し,企業と規制当局に膝を詰めて説明し,この三者を一丸としてこの局面を打破しようとする姿勢が求められる.

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© 2022 日本門脈圧亢進症学会
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