日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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EVL・EIS異時併用療法 (combined療法) 後の追加治療
竹内 雅春中井 謙之土生 秀作黒田 暢一北村 謙介植木 孝浩三嶋 康裕伊東 通裕岡本 英三朱 明義
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1998 年 4 巻 1 号 p. 10-13

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抄録
静脈瘤結紮術 (EVL) に1%ポリドカノールの血管外注入法による内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 (EIS) を異時併用combined療法施行後の食道静脈瘤再発および増悪33例に追加治療を行った.内訳は治療後1カ月目の内視鏡所見で静脈瘤遺残のあった16例とF0RC (-) かつ下部食道に正常粘膜遺残のある17例であった.治療はRCサインの陽性化または静脈瘤の増悪時に4例はcombined療法を, 他はすべて1%ポリドカノールでの血管内外注入法によるEISを施行した.F0静脈瘤には外来治療として施行した.追加治療後の累積無再発生存率は, 静脈瘤遺残例は4年で64.7%, F0静脈瘤は2年あまりで64.2%であった.Combined療法後の再発は高率であるが, 再発兆候が認められた場合にはできる限り早く追加治療することにより静脈瘤出血が予防できた.Combined療法および早期の再発治療で静脈瘤の荒廃が可能となり, 肝機能不良例に対しては有効な治療法と考えられた.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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