日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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内視鏡的食道静脈瘤治療後のF0再発静脈瘤に対する治療法の比較検討
-内視鏡的細静脈高周波焼灼療法と1%ポリドカノールによる内視鏡的硬化療法-
中村 真一光永 篤村田 洋子鈴木 茂林 直諒
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1998 年 4 巻 1 号 p. 14-19

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抄録
内視鏡的硬化療法, 内視鏡的静脈瘤結紮術後のF0RC (+) 再発食道静脈瘤に対し, 高周波凝固法を用いて静脈瘤を焼灼し消失させる目的で内視鏡的細静脈高周波焼灼療法 (EVEC) を施行した.EVEC30例, 1%ポリドカノールによる静脈瘤外注入硬化療法 (1%AS-EIS) 30例を対象にprospective randomised control studyを行い, 治療成績合併症を比較検討した.治療後12カ月の累積非再発率はEVEC79.1%, 1%AS-EIS72.7%であった.EVECの合併症は発熱がやや高率であったが, 食道つかえ感や胸痛の頻度は1%AS-EISに比し著明に低かった.EVEC後の超音波内視鏡検査所見, 病理組織学的検討より静脈瘤の消失と粘膜下層を中心とした線維化による著明な肥厚像が確認された.また, アルゴンプラズマ凝固法は治療時間が短縮でき, より有用な手法であった.EVECは安全かつ低侵襲で簡便で1%AS-EISと同等の治療効果を認め, F0RC (+) 再発静脈瘤に対し有用な治療法である.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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