日本門脈圧亢進症学会雑誌
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経頸静脈的逆行性胃静脈瘤塞栓術のクリニカルパス
近森 文夫国吉 宣俊渋谷 進高瀬 靖広
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2004 年 10 巻 2 号 p. 68-71

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抄録

胃静脈瘤 (GV) に対する経頸静脈的逆行性塞栓術 (TJO) のクリニカルパスについて紹介する.本手技は経頸静脈アプローチを基本とするため, そけい部剃毛は不要である.カテーテル留置が基本のため, 術後は床上安静とするが, 通常のIVH挿入状態に準じギャッジアップや横向きは可能としている.術前術後検査は前日, 7病日としているが, 外来での施行も可能である.GV血栓形成確認・閉塞肝静脈圧測定後のカテーテル抜去を基本としているため, 血栓形成の程度によりカテーテル留置時間は決定される.TJO施行89例のGV内血栓形成確認までに要したカテーテル留置時間は, 24時間78例 (88%), 48時間4例 (4%), 72時間5例 (6%), 96時間2例 (2%) であった.以上から, 88%はこのパスが利用可能であるが, 12%においてはこのパスからはずれる可能性があることを説明しておくべきである.本パスを利用することは, 患者の理解を助けると同時に円滑な業務遂行において意味あるものと考える

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