2007 年 13 巻 4 号 p. 219-221
1972年から2006年までに北里大学東病院にて特発性門脈圧亢進症 (idiopathic portal hypertension : IPH) と診断され治療を行った33例について, その背景と長期予後について検討した.診断時の平均年齢は55.1±14.5歳, 性別は男性4例, 女性29例, 平均観察期間6.9±6.0年 (最長24年) であった.当院におけるIPHの累積生存率は, 10年で約90%であり長期予後は良好であった.IPHは各症例に応じた治療法を選択し, 食道・胃静脈瘤と脾腫・脾機能亢進をコントロールできれば予後良好な疾患である.