日本門脈圧亢進症学会雑誌
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肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法+ラジオ波焼灼療法後, 門脈血栓により急速に増悪した胃食道静脈瘤の1例
小野木 章人荒木 寛司木村 裕子今井 健二井深 貴志高井 光治内木 隆文永木 正仁森脇 久隆
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2007 年 13 巻 4 号 p. 222-227

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抄録

患者は76歳, 女性.C型肝硬変に合併した肝細胞癌に対しTACE+RFA施行後, 門脈血栓を併発した.5カ月後, 門脈血栓の増大とともに腹水の出現, 食道胃静脈瘤の急速な増悪を認め入院となった.Riskyvaricesであり血栓溶解療法に先立ち, EVLを優先し, 1カ月後の腹部造影CTにて, 明らかに血栓が縮小し, 門脈本幹にわずかに壁在血栓を認めるのみとなった.門脈血栓に対しては特別な治療を施さなくても改善が認められた.肝細胞癌の治療に関連し急速に門脈血栓の形成から退縮間での過程を門脈圧亢進症の所見としての食道静脈瘤と腹水の増悪経過とあわせ, 造影CTで臨床経過を詳細に観察できた症例を報告した.

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