日本門脈圧亢進症学会雑誌
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光デジタル法を用いた画像強調観察による血流情報のイメージングと門脈圧亢進症への応用
竹端 栄
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2008 年 14 巻 2 号 p. 156-160

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抄録
近年, 電子内視鏡は, CCDの高画素化やデジタル信号処理などの採用により, 限りなく肉眼に近い内視鏡像が提供されるようになり, ハイビジョン内視鏡や拡大機能を組み合わせて, 粘膜表層の微細な毛細血管や粘膜模様が詳細に観察されている.更に, 生体組織の光学特性を利用し, 特定の波長領域の光を照明光とした光デジタル法を用いた画像強調観察 (NBI : Narrow Band Imaging, IRI : Infra-Red Imaging 等) 機能が搭載されたEVIS LUCERA SPECTRUM が開発され, 画像処理だけでは得られない生体情報のイメージングが可能となってきた.NBIは, 粘膜表面の微細な毛細血管を強調表示し, IRIは, 白色光観察では観察困難な深部血管を強調表示することができることから, 門脈圧亢進症に特有の血流変化, 血管拡張などの所見観察に応用できる可能性を持っていると考えられた.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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