抄録
症例は67歳, 女性。1999年腹部CT上, 肝に多発性結節性病変を認め当科受診.CTA, CTAPにより非B非C型肝硬変による再生結節と診断された.2001年4月, 食道静脈瘤 (LmF2CbRC (+) Lg-c (+)) に対し予防的にEISを食道に3回, 胃に5回施行, 同年10月, 胃静脈瘤出血に対し内視鏡的硬化療法 (EIS) を4回施行したが, 2002年3月再吐血を来し入院となった.内視鏡上, 静脈瘤破裂は認めず, diffuse haemorrhageを示すsevere portal hypertensive gastropathy (PHG) による出血と診断.門脈圧減圧のため右肝静脈と門脈右枝間に経頚静脈的肝内門脈静脈短絡術 (TIPS) を施行.門脈圧は23mmHgから14mmHgに低下, 肝静脈との圧較差7mmHgと十分な減圧が得られた.食道静脈瘤はF2からF1となり, PHGは明らかに改善したが, TIPS29日後, 胃静脈瘤から再出血を来した。門脈造影ではステントは開存, 左胃動脈の血管造影では胃静脈瘤部へのpoolingと左胃静脈および短胃静脈への血流を認めた.脆弱な組織からoozingを来していると考え, コイルおよびgelfoamを用いた左胃動脈塞栓術によって完全な止血が得られ, 以後再出血はみられなかった.