日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
初期症状として体重増加不良を認めた毛様細胞性星細胞腫の1例
小林 真紀恩田 恵子山田 浩之斉藤 洋平藤村 純也齋藤 正博近藤 聡英清水 俊明
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2016 年 53 巻 1 号 p. 13-15

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抄録

間脳症候群は著明なるいそうや多動などを特徴とする症候群で,乳幼児では視床下部の腫瘍が原因として多いことが知られている.乳幼児期発症の脳腫瘍では,骨縫合線が離開しやすく頭痛や嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が出現しにくいことや,神経学的所見の評価が困難であることから,診断までに時間を要することが少なくない.今回我々は,初期症状として生後7か月頃から体重増加不良を認め,2歳時に視床下部毛様細胞性星細胞腫と腫瘍に起因する間脳症候群と診断された1例を経験した.乳幼児における原因不明の体重増加不良の鑑別では,脳腫瘍も考慮する必要があると考えられた.

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© 2016 日本小児血液・がん学会
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