2016 年 53 巻 5 号 p. 397-402
造血幹細胞移植を受ける時,子ども達にとって家族は治療を乗り越える気持ちの支えであり,身体的なつらさも家族がそばにいる安心感で和らぐように見える.そのため治療中は家族からの支援は欠かせない.しかしながら子どもを支える家族も病院生活と家庭生活の両立,家庭にいるきょうだい児のケア,無事生着するかどうかの不安など様々なストレスを抱えている.また,きょうだい児も病気の子どもが中心になる生活にいろいろな思いを抱く.このようなストレスを抱える家族にも医療者からの支援が必要である.チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)は主に小児病棟で入院患児及びその家族へ心理社会的支援を提供している.ここでは,造血幹細胞移植において,CLSが提供しているきょうだい児も含めた家族への支援について具体的に述べる.