1995~2014年に当科で顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF),cytarabine,cyclophosphamide,全身放射線による骨髄破壊的前処置を用いて同種造血幹細胞移植を施行した小児急性骨髄性白血病(AML)12例の経過を検討した.11例は寛解(CR)期(第1CR 6例,第2CR 5例),1例は非CR期に移植を施行した.CR期に移植を施行した症例の5年全生存率は62.3±15.0%,無病生存率は63.6±14.5%であった.一次生着不全を1例,原疾患再発を2例に認めた.II–IV度の急性GVHDは11例中7例,慢性GVHDは9例中2例に認めた.5例は細菌感染症(1例),原疾患再発(1例),または再移植後の合併症(3例)により死亡した.本研究では成人AML症例とは異なり,本レジメンによる明らかな治療成績の向上は示されなかった.晩期合併症の頻度が高いことから,小児AML症例に対してG-CSFを併用した骨髄非破壊的前処置などの毒性を軽減した前処置の開発が期待される.