日本小児血液・がん学会雑誌
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原著
小児がんを含むがん診療に関するNurse Practitioner(NP)の教育到達目標
―日本の医師・看護師と米国NPとの比較―
森 美智子石田 也寸志白畑 範子奥山 朝子
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2018 年 55 巻 2 号 p. 187-193

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抄録

〔研究目的〕日本の医師・看護師,米国NPの3者の立場から,Nurse Practitioner(NP)の小児がんを含むがん医療内容の教育ニーズを比較分析し,NPのがん教育到達目標の検討を行う.

〔方法〕研究に同意した方に質問紙調査を行い,医師・薬剤師と協働する際にNPに必要と思われるがん教育の到達レベルについて尋ねた.

〔結果〕日本の医師(230名),日本の看護師(246名),米国NP(166名)から回答を得た.NPに必要ながん診療に関する知識の必要性は日本の看護師81.3%,米国NP 78.0%,医師57.2%であり,医師は全般的に低かった中で,緩和医療,抗悪性腫瘍薬の副作用に関しては80%を超えていた.日本の専門看護師は米国NPよりNPのがん教育の必要性をより高く設定しており,米国NPはNPの分野を問わずがん治療認定医の基本的能力レベルを必要としていた.

〔結論〕NPの小児がんを含むがん教育の到達目標設定は日本の看護師・米国NPでより高く,がんの基礎など幅広い知識を必要と感じていた.医師の期待するNPの知識は幅広い知識より,緩和・副作用に関するものが多かった.

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© 2018 日本小児血液・がん学会
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