日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
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原著
AYAがん患者の医療的・心理社会的特性
―自験例64例での検討
中野 嘉子石井 裕子中村 さやか山崎 夏維仁谷 千賀岡田 恵子藤崎 弘之宇野 光昭多田羅 竜平原 純一
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2019 年 56 巻 2 号 p. 176-181

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抄録

現在,Adolescent and Young Adult(AYA)がん患者への対策が進められつつあるが,治療経験,特に心理社会的問題の国内からの報告は限られている.われわれはAYAがん患者への対応の改善の一助とするため,当科で経験した症例について診療録をもとに後方視的に検討した.対象は2005年1月から2015年12月までに当科入院時の年齢が15歳以上の64例である.年齢中央値は17歳(15歳から41歳)で,造血器腫瘍が27例,脳腫瘍21例,固形腫瘍16例.転帰は生存35例,死亡27例,不明2例であった.専門医に紹介され確定診断や標準的治療が開始されるまでに時間を要したことが予後にも影響したと考えられる症例が10%あった.就学については高校生の23.6%,大学生の4例全例に進学や進級に影響がでていた.AYAがん患者の心理は,多岐に渡り,闘病中に生きる意味を考えたり,死の受容が伺える発言もみられた.また,治療後も慢性合併症や発病前と同様の日常や友人関係に戻る難しさ,就職困難など様々な悩みを抱えており,自殺に至った例もあった.一方で,がんの経験を肯定的に捉え内面的な成長がみられる症例もあった.AYA世代の特性を踏まえた上で,症例ごとのアセスメントを丁寧に行い支援を行うこと,またAYA患者の生の声が共有され,今後の医療実践に反映されることが望まれる.

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© 2019 日本小児血液・がん学会
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