2019 年 56 巻 5 号 p. 464-468
Down症候群児に対する化学療法は重篤な治療関連毒性のため,減量が考慮される.Down症候群児の頭蓋内胚細胞腫瘍における化学療法の減量についての明確な基準はない.症例は13歳のDown症候群男子.頭痛・眼球運動障害で受診し,頭部MRIで松果体部腫瘍を認めた.腫瘍全摘出術を施行し,Mixed germ cell tumor, immature teratoma with choriocarcinomaと診断した.ICE療法(ifosfamide, carboplatin, etoposide)6コースと陽子線治療を施行した.治療関連毒性が懸念されたため,初回ICE療法は60%量に減量し,2回目以降は100%量で治療したが,重篤な有害事象を認めず治療完遂した.Down症候群に合併した頭蓋内胚細胞腫瘍に対してICE療法は安全かつ有効であり,通常量で治療を施行できる可能性が示唆された.