2019 年 56 巻 5 号 p. 474-477
小児血液悪性疾患の再発例や治療抵抗例に対して,強力な抗白血病効果を期待してHLA半合致移植が施行される症例が増加している.しかし,本移植後には抗白血病効果が到達しにくい髄外で再発を来すことが少なくない.今回,再発急性骨髄性白血病に対する血縁者間HLA半合致移植後に多発髄外再発を来した症例を経験した.HLA半合致移植後には移植片の監視を逃れた腫瘍細胞が骨髄外から再発する例があり,その長期予後は不良といわれる.本移植後は骨髄のみならず画像検査により髄外再発の有無も慎重に経過観察を行う必要がある.