日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム2: 小児脳腫瘍における分子診断の新展開
小児後頭蓋窩脳腫瘍の鑑別のための画像診断アルゴリズム
山崎 文之高安 武志髙野 元気米澤 潮田口 慧大西 俊平竹石 雄介杉山 一彦
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2020 年 57 巻 3 号 p. 203-209

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抄録

World Health Organization (WHO) の脳腫瘍分類は2016年にアップデートされ,分子遺伝学的な特徴が脳腫瘍の診断において重視されることとなった.分子遺伝学的特徴により髄芽腫はWNT, SHH, group 3, group 4の4亜型に分類され,後頭蓋窩の上衣腫はposterior fossa ependymoma-A (PF-EPN-A) とposterior fossa ependymoma-B (PF-EPN-B) に分類された.小児の後頭蓋窩腫瘍で頻度が高いのは髄芽腫,上衣腫,毛様細胞性星細胞腫だが,術前に分子遺伝学的特徴を含め,これらを鑑別できれば,治療の意思決定に有用な情報となる.拡散強調画像から得られる見かけの拡散係数(apparent diffusion coefficient, ADC)は腫瘍の細胞密度と逆相関することから,腫瘍の鑑別診断に有用で,バイオマーカーとしても着目されている.髄芽腫,上衣腫,毛様細胞性星細胞腫はADCで鑑別可能であり,髄芽腫は高い細胞密度を反映してADCが低値の一方,毛様細胞性星細胞腫は細胞密度が低く,ADCは高値となる.上衣腫はそれらの中間のADC値となり,高いb値の拡散強調画像から得られるADCを使用することでさらに鑑別診断率は向上する.髄芽腫はさらに,WNTはCP angleや外側陥凹,SHHは小脳半球,group 3/4は第四脳室に発生することで亜型が鑑別可能で,group 3は造影が強いこと,group 4は造影が弱いまたは乏しいことで鑑別する.後頭蓋窩上衣腫は造影率でPF-EPN-Aと-Bを鑑別する.本稿ではWHO2016アップデートに対応した小児後頭蓋窩腫瘍の術前画像診断のアルゴリズムを紹介する.

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