日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
Print ISSN : 2187-011X
ISSN-L : 2187-011X
特別企画1:レジェンドからの提言
“小児がん”と共に40年―出逢い,そして発展―
福澤 正洋
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 59 巻 2 号 p. 101-106

詳細
抄録

小児外科医として小児がんの臨床研究を開始して40年の歳月が過ぎた.これまで,常に素晴らしい先生方に出逢い,臨床研究・学会活動・グループスタデイ・JCCG活動に参加させていただきました.私が歩んだ道を振り返り,若い先生方に提言したい.

〈大阪大学(1981~1997年)および日本大学(1998~2003年)での臨床経験〉1981年から小児がんの臨床を開始し,河 敬世先生と出逢った.河先生のリーダーシップで固形腫瘍に対する集学的治療(1985年)に参画し,また原 純一先生と共に進行神経芽腫に対する遅延局所療法を1993年に開始した.1998年から日本大学第一外科を担当し,麦島秀雄先生と出逢った.麦島先生には遅延局所療法を推進していただき,JNBSGの臨床研究へ繋げていただいた.〈日本小児がん学会での経験〉2002年副理事長(河 敬世理事長),2004年理事長として日本小児血液学会との統合に努めた.2010年には最後の日本小児がん学会の会長を務めさせていただいた.〈日本ウィルムス腫瘍スタディグループ(JWiTS)での経験〉2003年から2015年まで,越永従道先生(事務局長)の支えで委員長を務めた.中央病理診断(秦 順一先生)および分子生物学的研究(金子安比古先生)を推進していただいた.〈日本小児がん研究グループ(JCCG)での経験〉2013年6月JCCG準備委員会(水谷修紀委員長)の副委員長として参画し,2014年12月から水谷理事長の下,副理事長および運営委員長を2018年6月まで務めさせていただいた.

40年間を振り返り,若い先生方に2つのメッセージを送りたい.①多逢聖因(たほうしょういん)(安岡正篤):良い人に交わっていると,気づかないうちに良い結果が生まれる.②不東(ふとう)(玄奘三蔵):玄奘のインドに達せずば東へ戻らずという気概を示し,“一度立てたら志を決して曲げることなく最後まで貫くこと”が大切である.

著者関連情報
© 2022 日本小児血液・がん学会
次の記事
feedback
Top