症例は7歳男児.3歳6か月時に発症したオプソクローヌス・ミオクローヌス合併右副腎原発の神経芽腫でganglioneuroblastoma nodular,INRG臨床病期L2,MYCN増幅なしで中間リスク群と診断.化学療法ののち腫瘍を摘出したが術後2年で後腹膜の縦に連なる3個の腫大リンパ節を認め,再発と診断.自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法ののち開腹手術を行った.尾側の腫瘤は腹部大動脈と下大静脈の間にあり,摘出することができた.肝右葉を脱転し,下大静脈から肝尾状葉左側まで確認し,右横隔膜脚を縦切開すると,右横隔膜脚後腔に残る二つの腫瘤も認め,全摘可能となった.術後は放射線治療と抗GD2抗体を投与し,画像上残存病変を認めていない.後縦隔腫瘍に対する経横隔膜的アプローチは有効である.