日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
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原著
小児再発・難治性B前駆細胞性急性リンパ性白血病に対するinotuzumab ozogamicinを用いた治療の検討
三谷 友一水島 喜隆上月 景弘本田 護大嶋 宏一加藤 優高田 啓志稲嶺 樹森 麻希子福岡 講平荒川 ゆうき康 勝好
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2024 年 61 巻 5 号 p. 392-396

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抄録

2024年3月に本邦において,成人に続き小児CD22陽性再発/難治性B前駆細胞性急性リンパ性白血病(R/R BCP-ALL)に対しても,イノツズマブ・オゾガマイシン(InO)が承認された.今回InOを使用した9例のR/R BCP-ALLについて,有効性と安全性について検討を行った.8例で非寛解期に使用し,1例で寛解期のbridging therapyとして使用した.8例中5例で寛解(CR)を達成し,3例が不応であった.CRに至った5例中4例が最終的に再発したが,このうち2例でInOの再投与を行い,ともに再度のCRを達成した.CTCAE grade 3以上の非血液毒性としては,発熱性好中球減少症,infusion reaction,AST/ALT上昇の他に,肝中心静脈閉塞症/肝類洞閉塞症候群を1例で認めた.CD22陽性R/R BCP-ALL例の寛解導入において,InOは有効な選択肢となり得る.特にInOの使用歴がある例においても,InOの再投与が有効である可能性が示唆された.

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© 2024 日本小児血液・がん学会
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