日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
小児再発ランゲルハンス細胞組織球症に対するヒドロキシカルバミド療法
安江 志保坂本 謙一塩田 曜子
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2024 年 61 巻 5 号 p. 410-413

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抄録

小児ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis, LCH)患者の生存率は化学療法の導入により改善したが再発は依然として多く,再発LCHに対する治療は未だ確立されていない.ヒドロキシカルバミド(化学名:ハイドロキシウレア,Hydroxyurea, HU)は骨髄増殖性疾患などに対して広く使用されてきた薬剤であり,小児LCHに対して使用された報告はほとんどない.我々は頻回再発の小児LCH2例に対し,HU単独またはHUとメソトレキセートの併用療法を行った.HU投与により,骨病変の改善と年単位の再発抑制が得られ,重篤な有害事象は観察されなかった.HUは経口投与が可能な薬剤であり,受診回数と医療費を削減するだけでなく,患児の痛みを伴う注射による身体的および精神的ストレスを軽減することができる.再発LCH患者に対し,HUは有望な治療選択肢となり得る.

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© 2024 日本小児血液・がん学会
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