2025 年 62 巻 1 号 p. 90-93
症例はT細胞性急性リンパ性白血病の4歳女児.寛解導入療法後に第1寛解を,早期強化療法後に微小残存病変陰性を確認したが,TCF7::SPI1陽性のため予後不良と判断し,第1寛解期に強度減弱前処置を用いて非血縁者間臍帯血移植を実施した.移植後3日目に発熱を認めCOVID-19を発症した.胸部CT検査で左下肺に肺炎像を認めたが,レムデシビルを10日間投与し重症化なく経過した.移植後23日目に生着後もsevere acute respiratory syndrome coronavirus 2のポリメラーゼ連鎖反応検査陽性は遷延し,陰性化までに89日を要した.造血細胞移植後早期のCOVID-19は重症化リスクが高いが,早期の治療介入が重症化回避に有効であったと考えられた.一方,既報と同様に造血細胞移植後の免疫抑制下ではウイルス排泄遅延を来し得ることが確認された.