日本小児血液・腫瘍学会の登録データによれば,20歳未満に発症する頭蓋外胚細胞腫瘍(GCT)は全固形腫瘍の約13%を占め,その約半数は成熟奇形腫であり,日本では年間約140例が新規に診断される.発症年齢は二相性を示し,乳児期(0~4歳)と学童後期以降にピークがみられる.過去の臨床試験(Malignant Germ Cell Internat ional Consortium)から解析されたデータによると,11歳を超える,COG分類ステージIV,性腺外発生が予後不良因子とされる.治療においては外科的切除が中心的役割を担い,切除困難例や高リスク例では薬物療法が併用される.小児の化学療法は成人GCT治療に基づき開発されたが,予後は成人より良好であり,乳幼児ではブレオマイシン毒性を考慮し,PEbレジメン(ブレオマイシン減量)が標準とされる.さらに,シスプラチン関連毒性回避のためカルボプラチンを用いたJEBレジメンも使用される.再発・進行例の小児データは限られている.治療開発には国際共同研究や成人科を含む領域横断的な治療開発が重要である.