日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
Print ISSN : 2187-011X
ISSN-L : 2187-011X
原著
初発及び再発高リスク神経芽腫に対する抗GD2抗体療法
西尾 周朗梅田 雄嗣三谷 一樹安積 昌平東條 龍之介幸伏 寛和内原 嘉仁赤澤 嶺窪田 博仁才田 聡加藤 格山本 美紀上林 エレーナ幸江小川 絵里岡本 竜弥滝田 順子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 62 巻 5 号 p. 306-313

詳細
抄録

高リスク神経芽腫の治療戦略は抗GD2抗体による免疫療法により長足の進歩を遂げた.しかし,再発例における有効性や安全性は明らかではない.我々は2021年10月から2024年10月に当院で抗GD2抗体療法を受けた9例を後方視的に解析した.3例は初発治療後の維持療法として(維持療法群),6例は再発後に救援治療の後に実施した(再発後治療群).開始時の年齢中央値は,維持療法群2歳,再発後治療群3歳であった.治療サイクル数の中央値は,維持療法群で6回,再発後治療群で3.5回であり,後者では4例が病状進行のため治療を中止した.血液毒性については,grade 3以上の血小板減少の頻度が維持療法群よりも再発後治療群において高い傾向を認めた.非血液毒性については,grade 3以上のinfusion reaction・毛細血管漏出症候群を両群で認めなかった.最良治療効果は,維持療法群で完全奏効2例,部分奏効1例,再発後治療群で安定1例,進行5例であった.臍帯血移植後の3例では治療開始前後でGVHDを認めず,維持療法群の1例は治療を完遂できたが,再発後治療群の2例は病状進行のため治療を中止した.再発例に対する抗GD2抗体療法は概ね安全に実施できたが,治療効果は限定的であった.今後,再発例も含めた高リスク神経芽腫に対する,抗GD2抗体療法の適切なタイミング・併用療法に対する知見の集積が期待される.

著者関連情報
© 2025 日本小児血液・がん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top