日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
Print ISSN : 2187-011X
ISSN-L : 2187-011X
原著
「若年がん患者のニーズ尺度(CNQ-YP-J)」の重要性に関するAYA世代がん患者の反応およびニーズ傾向
篠原 有紀田畑 阿美松岡 真里小川 真寛華井 明子坪山 直生青山 朋樹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 62 巻 5 号 p. 314-324

詳細
抄録

本研究の目的は,①adolescent and young adult(AYA)世代がん患者のニーズを測るために開発した「若年がん患者のニーズ尺度(CNQ-YP-J)」の重要性に関する回答者の反応,②AYA世代がん患者のニーズの傾向,を明らかにすることである.15~39歳のAYA世代がん患者を対象に,尺度の重要性を5件法で尋ね,選択した理由を自由記述にて回答してもらった.「若年がん患者のニーズ尺度」に回答した87名の内,自由記述に回答した36名のデータに対して内容分析を行った.その結果,尺度の重要性に関する回答者の反応は,【質問紙の構成や表現への要望】【質問内容への要望】といった尺度そのものに対する意見や,【自身がニーズを知る機会の会得】【尺度が医療の改善に役立つことへの期待】などを含む7つのコアカテゴリーに分類された.ニーズの傾向分析では,「非常に高く望む」「高く望む」と回答した人の割合が最も高かった項目は「同様の経験をした同年代の人たちと話すこと」であり,次いで「自分に合った情報」,「おいしい食事を食べること」であった.本研究の結果,本尺度は一定程度の需要や活用意義があり,さらに,AYA世代がん患者が治療環境や日常生活において抱える問題は依然として多いことが分かった.見逃されがちな課題に目を向けるツールとして本尺度を活用することで,医療環境や社会支援の改善につながることが期待される.

著者関連情報
© 2025 日本小児血液・がん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top