ブリナツモマブの投与開始初期は入院治療が必要であるが,その後は外来通院による在宅投与が可能である.我々は在宅投与を可能にするため,携帯型輸液ポンプであるContinuous Ambulatory Delivery Device(CADD)を用いてブリナツモマブの投与を行っている.本研究では,CADDを用いたブリナツモマブ投与に関連するトラブルを明らかにし,より適切な投与方法を見出すことを目的とした.2019年12月から2025年4月までに国立成育医療研究センターでCADDを用いてブリナツモマブが投与された小児患者21例(46サイクル)を対象に,ブリナツモマブ投与時のトラブルと対策について診療録を用いて後方視的に調査を行った.年齢中央値は8.4歳(範囲0.9~15.8),1人当たりのブリナツモマブ投与の中央値は2サイクル(範囲1~6)であった.合計46サイクルで認められたトラブルは,輸液ラインの接続外れ(n=11),血液の逆流(n=11),電池またはバッテリーの不具合(n=6),フィルターからの液漏れ(n=2),輸液ライン内の空気混入(n=2)であった.輸液ラインの接続外れは,接続箇所を定期的に確認する手順書を作成したところ,発生頻度は29サイクル中9サイクル(31%)から17サイクル中2サイクル(12%)へ改善した.血液の逆流は,輸液ラインの固定位置を調整することで改善した.CADDを用いたブリナツモマブ投与は,投与時に起こりうるトラブルを事前に把握し予防策を講じることで,より安全に投与することが可能である.