日本小児血液・がん学会雑誌
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原著
新型コロナウイルス感染症流行による移植片の凍結保存が小児同種造血細胞移植に及ぼした影響に関する後方視的観察研究
廣田 恵璃栁町 昌克樋口 紘平三谷 友一岡田 恵子齋藤 敦郎日野 もえ子橋井 佳子梅田 雄嗣
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2026 年 63 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

【緒言】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行に伴い,2020年4月より特別対応として日本骨髄バンクから提供される骨髄・末梢血幹細胞液の凍結保存が認められ,凍結保存細胞を用いた同種造血細胞移植(HCT)が実施されたが,小児同種HCT例における影響についてまとまった報告がない.

【方法】日本小児がん研究グループ・血液腫瘍分科会の加盟施設で移植症例登録があった施設に対してアンケート調査を行った.

【結果】アンケート回答率は77%(53/69施設)であった.細胞保存液などの細胞凍結保存手技について施設間の違いを認めた.実臨床における細胞凍結保存に関しては,COVID-19流行後,非血縁者間骨髄移植は36/185(19%),非血縁者間末梢血幹細胞移植は5/11(45%),血縁者間骨髄移植は12/141(9%)といずれも凍結件数が増えた.非血縁者間骨髄移植において凍結保存の有無でday 28の生着率に差はなかった(凍結保存有:89% vs. 無:93%,p=0.50).

【考察】COVID-19流行により移植細胞の凍結件数が増加したが,凍結保存の有無で生着率に差がなかったことは,今後の凍結保存の選択に参考になると考えられる.細胞凍結保存法の質の向上と均てん化も今後の課題と考えられた.

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