2026 年 63 巻 3 号 p. 199-202
この度の学術集会のテーマは「全てのこどもの未来のために~For the future of all children~」といたしました.小児がんは,集学的治療(化学療法,外科療法,放射線療法)により予後が向上し,長期生存例が増加してきた一方で,治療関連障害もクローズアップされています.現在の小児がん医療に最も求められているのは,患者さんの20年後を見据えたQOLを重視した治療であると考えられており,全国の小児がん医療に携わる方々は,生命を救うだけでなく,将来像を考慮した患者さん一人ひとりに適した治療,および患者さんとそのご家族に真に寄り添ったケアを心がけていることと思います.
また,これからの小児がん医療における外科治療を担う若手小児外科医の育成は重要な課題です.小児がん治療において外科療法は集学的治療の一部であり,決して独立した治療法ではあり得ません.手術を担当する小児外科医自身が,小児科や成人関連科も関わる治療全体を十分に理解し,疾患の分子的側面や長期合併症も考慮した上で,小児がん医療における外科治療戦略を構築すべきです.小児外科医自身が小児がんの基礎研究に携わることは,症例ごとの高度なテーラーメイド型治療につながると考えられます.
「こころ,分子と未来におきてメスを構えるべし」との心構えの下,今後もリサーチマインドを持った小児外科医の育成を目指していきたいと思います.