Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
AIS遺残型脊柱変形に対するcircumferential MISの短期成績と手術手技のコツ
石原 昌幸谷口 愼一郎谷 陽一朴 正旭足立 崇串田 剛俊安藤 宗治齋藤 貴徳
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2021 年 12 巻 7 号 p. 952-957

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抄録

目的:AIS遺残型脊柱変形(adult idiopathic scoliosis:AS)に対する側方経路椎体間固定(lateral interbody fusion:LIF)と経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)を用いたcircumferential Minimally Invasive Surgery(c-MIS)の短期成績を検討した.

対象と方法:2018年から2019年に手術し18カ月以上経過観察可能であった6名(女性5名.男性1名)を対象とした.検討項目は固定椎体数,固定上位椎体(UIV),固定下位椎体(LIV),LIF施行椎間数,平均出血量,手術時間,各種パラメーター,術前後ODI,周術期合併症とした.

結果:UIVはT4:2例,T7:2例,T9:2例でありLIVは全例骨盤であり平均固定椎体数は13.3椎体,平均LIF施行椎間数は4.5椎間であった.平均出血量は723 ml,平均手術時間352分,LLは術前11°が術後50°,PI-LLは術前39°が術後0°に,PTは術前32°が術後15°,TKは術前19°が術後40°,SVAは術前128 mmが術後25 mm,CAは術前66°が術後25°,C7CSVLは術前52 mmが術後7 mmに改善した.ODIは術前51が最終26に改善した.合併症は術後2ヶ月でS2AIのセットスクリューが外れたものを1例認めた.

結語:AIS遺残変形に対するcMISは低侵襲かつ良好な矯正が得られ,短期成績は概ね良好であった.側弯の矯正ではなく冠状面及び矢状面のバランスの矯正をすることでcMISであっても十分な矯正が可能である.

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© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
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