2021 年 12 巻 7 号 p. 979-983
目的:下位腰椎(L5/S1またはL4/5)におけるTLIF(腰椎経椎間孔的椎体間固定術)において,近年われわれは,支持面積を大きくするためブーメラン型ケージを2個使用することで支持性を向上し,癒合率の改善や沈み込み防止を図っている.その有効性を検証するため,ケージ支持面積の違いが臨床成績に与える影響を検討した.
対象と方法:(L4/5またはL5/S1)1椎間の椎体間固定術が行われた患者56例を対象とし,後ろ向きに検討した.弾丸型ケージ2個使用群:22例(弾丸2個群),ブーメラン型ケージ1個使用群:17例(ブーメラン1個群),ブーメラン型ケージ2個使用群:17例(ブーメラン2個群)を対象とした.椎間腔の高さを経時的に計測しケージの沈み込みおよび骨癒合を評価した.
結果:術後12ヶ月でのケージの沈み込みの平均は,弾丸2個群:1.14 mm,ブーメラン1個群:1.63 mm,ブーメラン2個群:0.73 mmであり,ブーメラン1個群に比べてブーメラン2個群では有意に少なかった.またブーメラン1個群の4例に癒合不全を認めた.その他の臨床成績には各群間に差を認めなかった.