Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
化膿性脊椎炎に対する経皮的病巣掻爬ドレナージ術(PSAD)の有効性と限界
松原 庸勝佐藤 公昭山田 圭横須賀 公章吉田 龍弘永田 見生
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2023 年 14 巻 1 号 p. 18-24

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抄録

はじめに:我々は化膿性脊椎炎に対して一貫して経皮的病巣掻爬ドレナージ(Percutaneous Suction Aspiration and Drainage;PSAD)を施行してきた.これまでにPSADを行った症例を調査し,当術式の有効性と限界を考察した.

対象と方法:2000年から2017年までに我々の施設でPSADを施行した93例を後ろ向きに調査した.初回PSADの臨床成績をModified MacNab criteriaを用いて評価し,再手術を必要とした症例については要因,臨床成績を調査した.

結果:臨床成績はExcxellent25例,Good34例,Fair13例,Poor21例であった.再手術症例は17例,要因は再発4例,非鎮静化8例,不安定性の出現5例であった.再手術後の臨床成績はExcellent1例,Good4例,Fair8例,Poor4例であった.

結語:化膿性脊椎炎に対して直接膿瘍をドレナージできるPSADは感染の制御に有効と考える.しかし再発や感染の制圧が困難な症例には再手術が必要であるため慎重な経過観察が必要である.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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