Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
滋賀県での小児側弯症診断における検診の役割
塚中 真佐子谷田 司明二見 徹
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キーワード: 側弯症, 検診
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2023 年 14 巻 11 号 p. 1372-1376

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抄録

はじめに:側弯症検診は2016年より運動器学校検診の一部として実施されている.滋賀県では質問票と視触診により行われている.本研究の目的は,側弯症診断における検診の役割について検討することである.

対象と方法:2017年4月からの2年間に,側弯症またはその疑いで当院を受診した症例を対象とした.初診時年齢,Cobb角,診断,検診が受診の契機であるかについて調査した.本研究では側弯症をCobb角が10度以上の症例と定義した.

結果:対象は137名.初診時平均年齢は12.8歳(0~22歳).側弯なしが6名,特発性119名,先天性6名,症候性6名.初診時平均Cobb角は27.5(5~79)°.検診からの診断は63名46%.検診が契機の症例とその他の間で,初診時平均年齢(12.6±3.1歳,12.9±3.8歳,p=0.99)および初診時平均Cobb角(25.4±14.4°,29.3±12.5°,p=0.27)に有意差は見られなかった.

結語:側弯症の約半数は検診を機に診断されていたが,早期診断との関係はみられなかった.早期診断のためには,質問票および視触診だけに基づく検診では不十分である可能性がある.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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