Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
症例報告
Bertolotti症候群(Castellvi分類IIa型)に対し腰椎後方椎体間固定術及び横突起仙骨間偽関節手術を行った2例
小口 史彦渡邉 健一砂山 智未山口 泰輝唐司 寿一安部 博昭東川 晶郎
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2023 年 14 巻 7 号 p. 1067-1072

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抄録

はじめに:Bertolotti症候群は腰仙部移行椎における腰痛を呈する疾患である.Bertolotti症候群に対し腰椎後方椎体間固定術及び偽関節手術を行い治療し得た2例を経験したので報告する.

症例1:29歳女性,7年前に腰下肢痛を主訴に当科受診,L5横突起は肥大し仙骨との間に偽関節を形成,一部が椎間孔外で神経根を圧排していた.Bertolotti症候群に伴う椎間孔外狭窄の診断にて狭窄部の除圧術を実施.症状の緩和が得られていた.25歳頃から腰下肢痛が再燃.画像上椎間孔外の再狭窄は見られなかった.

症例2:20歳男性,腰下肢痛を主訴に受診.症例1と同様横突起が偽関節を形成.椎間孔外狭窄は見られなかった.両症例ともBertolotti症候群に伴う偽関節部由来の症状と判断し手術加療を実施,症状の改善を得た.

結語:Bertolotti症候群は時に神経根症状を呈することがある腰痛症である.本症例は強い腰痛に加え神経根症状と思しき下肢神経症状を自覚していたが,画像所見上椎間孔外狭窄は見られなかったため腰椎後方椎体間固定術を選択,良好な症状の改善を得た.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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