Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
腰椎側方椎体間固定術の術前造影CTを用いた血管走行の評価―術中注意すべき所見の検討―
定 拓矢岩田 栄一朗奥田 哲教田中 誠人撫井 貴弘川崎 佐智子重松 英樹中島 弘司田中 康仁
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2024 年 15 巻 1 号 p. 28-33

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抄録

はじめに:側方椎体間固定術は大血管やその分枝の損傷が危惧される.本研究の目的は術前造影CTで血管損傷のリスクとなる解剖の評価すること.

対象と方法:当院で側方椎体間固定術前に造影CTを施行した46名を対象とした.L1/2-L4/5各椎間でmajor artery,major veinの走行と腰動脈分枝の椎間板縦走を評価した.静脈走行異常は(a)duplicated vena cava,(b)左総腸骨静脈分岐の総腸骨動脈外側の走行,(c)性腺静脈の拡張を評価した.

結果:Moroらの評価方法でzone1-4を走行するmajor arteryはL1/2で5例,L2/3で3例,L3/4で2例,L4/5で5例,major veinはL1/2で6例,L2/3で16例,L3/4で37例,L4/5で39例であった.腰動脈分枝の椎間板縦走はL3/4で1例,L4/5で15例に認めた.静脈走行異常は(a)が0例,(b)が4例,(c)が3例であった.

結語:L1/2~L4/5でmajor artery,major veinに,L3/4とL4/5で腰動脈分枝に注意し,静脈走行異常も術前評価が必要である.

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© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
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