2024 年 15 巻 12 号 p. 1362-1366
症例は57歳,女性.関節リウマチに伴う環軸椎亜脱臼に対して20年前に後頭頚椎固定術後(O-C3固定),隣接椎間障害による脊髄症で手指巧緻運動障害と歩行障害を認め手術の方針となった.前医にて通常の気管挿管が困難であり当院へ転院となったが,内視鏡下の挿管でも喉頭蓋を確認できず再度延期となった.1ヶ月後に最終的には意識下の経鼻挿管で手術を完遂した.初回手術が屈曲位での固定であったことに加えて,咽頭浮腫による気道狭窄が挿管困難の原因と考えられた.