Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
症例報告
脊椎黄色靭帯骨化と骨棘により神経症状を呈した偽性偽性副甲状腺機能低下症の1例
髙橋 祐介島内 卓田中 一成巣山 みどり酒井 隆士郎野口 康男江口 正雄藤井 敏男
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2024 年 15 巻 2 号 p. 78-83

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抄録

はじめに:偽性偽性副甲状腺機能低下症(pseudopseudohypoparathyroidism:PPHP)はAlbright's遺伝子骨形成異常症(Albright's hereditary osteodystrophy:AHO)と呼ばれる身体的特徴および精神発達遅滞を呈する病態である.PPHPは多彩な骨病変を呈し,脊椎の骨棘や靭帯骨化は脊柱管狭窄の原因となる.

症例:患者は72歳女性で脊髄神経圧迫による四肢神経症状,歩行障害を認め当院紹介となった.画像所見では環椎レベルの骨棘による脊柱管狭窄があり,胸椎レベルでは骨棘と黄色靭帯骨化による脊柱管狭窄を認めた.失調性の歩行障害は増悪し車椅子が必要となり,入院後手術加療となった.手術は環椎レベルでの病変に対して除圧術を行い,胸椎病変に対して除圧術および脊椎固定術を行った.術後経過は良好で杖歩行で退院した.

結語:脊椎黄色靭帯骨化と骨棘により脊柱管狭窄を合併したPPHPの1例を経験したので報告する.

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© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
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