Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
15 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
Editorial
原著
  • 長澤 圭吾, 藤井 賢吾, 船山 徹, 中川 翔太, 田邊 さやか, 小川 佳士, 中谷 卓史, 李 小由, 山崎 正志
    2024 年 15 巻 2 号 p. 50-56
    発行日: 2024/02/20
    公開日: 2024/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:本研究の目的は骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)保存治療における内科合併症および退院時日常生活動作(ADL)低下に関連する因子を検討することである.

    対象と方法:当院のOVF入院患者連続144例を後方視的に調査し,内科合併症及びADL低下に関連する因子を統計学的に検討した.びまん性特発性骨増殖症関連骨折患者15例を除外した129例の臨床経過,安静臥床中の内科合併症の有無,ADL,骨密度,腰椎X線・MRI画像を調査した.ADLは4段階評価で受傷前から退院時で2段階以上の低下をADL低下ありと定義した.MRI画像を用い傍脊柱筋,大腰筋の断面積計測とGoutallier分類に準じた脂肪変性評価も加えた.

    結果:内科合併症は27例で多変量解析の結果,救急搬送と低BMIが独立した関連因子であった.ADL低下は95例中38例で認め,多変量解析の結果,傍脊柱筋脂肪変性が独立した関連因子であった.

    結語:救急搬送と低BMIが内科合併症に関連し,傍脊柱筋の脂肪変性がADL低下に関連していた.

  • 庄司 寛和, 石川 裕也, 渡邉 仁, 澤上 公彦, 渡辺 慶, 大橋 正幸, 山崎 昭義
    2024 年 15 巻 2 号 p. 57-63
    発行日: 2024/02/20
    公開日: 2024/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:歯突起後方偽腫瘍などの上位頚椎疾患に対する環軸椎後方固定術は確立された術式である.静的圧迫が強い例や非整復性の環軸椎亜脱臼を伴う例では除圧目的に環椎後弓切除が追加されるが,後方の骨移植母床が小さくなり,骨癒合不全が危惧される.本研究の目的は,環椎後弓切除の併用が環軸椎後方固定術の骨癒合に与える影響を明らかにすることである.

    対象と方法:2012~2021年に環軸椎後方固定術を施行し,術後1年以上観察可能であった52例を対象とした.環椎後弓切除を併用した除圧固定群10例と固定単独群42例の骨癒合率を比較した.両群とも骨移植は椎弓間に行った.術後1年時のCTと前後屈X線で骨癒合を判定した.

    結果:除圧固定群は骨癒合7例,線維性癒合2例,偽関節1例であり,骨癒合率(除圧固定/固定単独;70/86%,p=0.35)と偽関節率(10/2.4%,p=0.32)は固定単独群との間に有意差を認めなかった.両群とも偽関節による再手術はなかった.

    結語:環軸椎後方固定術に環椎後弓切除を併用しても,骨癒合への影響は限定的である.

  • 塚本 有彦, 吉本 三徳, 宮下 賢, 大山 智充, 廣田 亮介, 千葉 充将, 黄金 勲矢, 押切 勉, 家里 典幸, 寺本 篤史
    2024 年 15 巻 2 号 p. 64-70
    発行日: 2024/02/20
    公開日: 2024/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:コンドリアーゼ椎間板内注入療法による椎間板や椎体終板への影響を定量的に評価した報告は渉猟し得た限りない.

    対象と方法:コンドリアーゼ椎間板内注入療法を施行し1年後までMRI UTE法を施行した11例を対象とした.椎間板と椎体終板の評価をそれぞれPfirrmann分類,End Plate Classification and Scoreで分類し,椎間板髄核と椎体軟骨終板のT2*値を計測した.椎間板高の計測およびModic changeの有無も評価した.

    結果:椎間板髄核T2*値は治療後に8例が短縮し,治療後3週から3ヶ月で再延長していた.椎間板高は治療後に低下し,8例が治療後3ヶ月から1年で軽度回復していた.治療後1年で椎間板高が低下した割合と,治療前椎間板髄核T2*値の間で負の相関を認めた.椎体軟骨終板T2*値は治療後6ヶ月から1年で変化が見られた.

    結語:コンドリアーゼ治療後に椎間板の水分量が低下するものは軽度回復し,その後椎間板高も軽度回復していた.椎体軟骨終板の変化はコンドリアーゼによる直接的な影響ではなく椎間板変性による結果と考えられた.

症例報告
  • 谷田 司明
    2024 年 15 巻 2 号 p. 71-77
    発行日: 2024/02/20
    公開日: 2024/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:脊髄髄膜瘤に伴う脊柱変形では,腰背部軟部組織の菲薄・瘢痕拘縮化があり,後方矯正固定術後に創治癒不全が生じることがある.

    症例:症例1:10歳女性の後弯変形例.後弯部切除とともに後方矯正固定術(T5-腸骨)を行った際,閉創困難であったため,左広背筋を含めた回転皮弁術を施行した.しかし,術後に皮弁辺縁の壊死と創離開が生じた.術後7日目に洗浄・デブリードメントとともに,右大殿筋穿通枝皮弁を用いて創閉鎖した.

    症例2:35歳女性の側弯症術後遺残変形例.小児期に胸腰椎前方矯正固定術(T9-L2)を受け,30歳より血液透析が導入されていた.後側弯矯正手術(T3-腸骨)を行い創閉鎖はできたが,術後5日目で同部位の皮膚壊死と創離開が生じたため,洗浄・デブリードメントとともに右大臀筋穿通枝皮弁を用いて創閉鎖した.

    いずれも再手術後は深部感染を発症することなく,創治癒を得ることができた.

    結語:大殿筋穿通枝皮弁は,脊髄髄膜瘤に伴う脊柱変形に対する後方矯正固定術後の創治癒不全に対して創治癒に有効なサルベージ手技である.

  • 髙橋 祐介, 島内 卓, 田中 一成, 巣山 みどり, 酒井 隆士郎, 野口 康男, 江口 正雄, 藤井 敏男
    2024 年 15 巻 2 号 p. 78-83
    発行日: 2024/02/20
    公開日: 2024/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:偽性偽性副甲状腺機能低下症(pseudopseudohypoparathyroidism:PPHP)はAlbright's遺伝子骨形成異常症(Albright's hereditary osteodystrophy:AHO)と呼ばれる身体的特徴および精神発達遅滞を呈する病態である.PPHPは多彩な骨病変を呈し,脊椎の骨棘や靭帯骨化は脊柱管狭窄の原因となる.

    症例:患者は72歳女性で脊髄神経圧迫による四肢神経症状,歩行障害を認め当院紹介となった.画像所見では環椎レベルの骨棘による脊柱管狭窄があり,胸椎レベルでは骨棘と黄色靭帯骨化による脊柱管狭窄を認めた.失調性の歩行障害は増悪し車椅子が必要となり,入院後手術加療となった.手術は環椎レベルでの病変に対して除圧術を行い,胸椎病変に対して除圧術および脊椎固定術を行った.術後経過は良好で杖歩行で退院した.

    結語:脊椎黄色靭帯骨化と骨棘により脊柱管狭窄を合併したPPHPの1例を経験したので報告する.

訂正文
feedback
Top