2026 年 43 巻 2 号 p. 89-96
要旨:外鼻形成術で使用後に摘出された移植組織片の病理組織像を概説する。移植片の多くは軟骨で,由来により肋軟骨,鼻中隔軟骨,耳介軟骨に分類され,肋軟骨には本人由来の自家肋軟骨と,他人由来で放射線照射後の同種肋軟骨が含まれる。これらの組織所見には,移植軟骨細胞の生存度評価だけでなく,置換性線維化の程度評価,軟骨細胞の壊死像,軟骨細胞の多核化,胞体の空胞状変性,軟骨細胞の集簇化(クローニング),軟骨の化生像,軟骨基質の変性,炎症像,骨化等がある。時に,軟骨細胞自身が線維芽細胞様細胞に変化し,置換性線維化に関与する可能性が示唆される。軟骨以外の移植片には,円形空隙から成るポリカプロラクトンや膠原線維に富む人工真皮があり,血管新生,炎症像等が観察される。