Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
終末期の在宅療養者の家族は何をつらいと思っていたか?
畑(冨嵜) ゆかり原田 三奈子高岡 智子松本 由梨新城 拓也
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 10 巻 1 号 p. 125-133

詳細
抄録

在宅療養を体験した家族のつらさ,看護師に対する改善の必要性について明らかにし,効果的な看護介入方法を検討することとした.
当訪問看護ステーションで,2012年8月~2013年12月の間に看取りに関わった遺族61人を対象に,2013年12月に質問紙調査を実施し,32人からの返答を得た.
在宅療養のできごとについて,遺族は「とてもつらかった」(13%),看護師の対応は「改善の必要はない」(84%)と返答した.「在宅療養開始時,夜眠れていなかった」(P=0.049),「食べることを手伝ったら,むせてしまった」(P=0.018)と返答した家族は,つらさの度合いが高く,「どんな時に看護師に連絡したらよいか迷うことがあった」(P=0.017)と返答した家族は,改善の必要度が高かった.
本研究の結果から,家族の健康状態のアセスメント,不眠の対処,介護指導の中では食事に関することが重要であることが分かった.

著者関連情報
© 2015 日本緩和医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top