抄録
【目的】本研究では神戸市医師会による市内医療機関の在宅医療の実態調査を行った.【方法】2013年7月に市内全医療機関を対象に質問紙を発送した.【結果】1,589施設に発送し899施設(回収率57%)から回答を得た.訪問診療および往診を実施している医療機関は,それぞれ50%,65%であった.在宅または介護療養施設での看取りに対応可能な医療機関は,それぞれ35%,18%であった.1週間のうち平均2.3±1.7日を在宅医療に費やしていた.がん患者に対応している医療機関は23%で,緩和ケア研修会(PEACE)を受講した医師がいる医療機関は7.0%,退院前カンファレンスに参加している医療機関は6.9%であった.【結論】本研究で,過半数の医療機関が在宅医療を提供していることが分かった.しかし,看取りの対応,緩和ケア研修,退院前カンファレンスの参加の対応はまだ少数であることが分かった.