抄録
リンパ浮腫の保存的治療は,スキンケア・用手的リンパドレナージ・圧迫・圧迫下での運動・日常生活指導を総合した複合的治療である.このうち圧迫は,多層包帯法と弾性着衣による中圧(30 mmHg)以上での圧迫治療が一般的である.しかし,合併症やADL,治療コンプライアンス不足から一般的な圧迫治療が困難な患者も多い.本研究では,通常の圧迫治療が困難なISL(International Society of Lymphology)分類Ⅱ期の15例に対し,装着しやすい筒状包帯とウェーブスポンジ併用による,弱圧の圧迫を行い,効果を検討した.治療前後の周径比較では,平均周径値が有意に減少し,治療前後の患肢容姿の点数評価でも有意に改善がみられた.患者のADL・QOLの向上がみられ,思考・行動に前向きな変化を生じた.弱圧での簡易的圧迫でも,ISLⅡ期の患者に対する治療効果が認められた.一般的な圧迫療法が困難な患者では,ウェーブスポンジ併用弱圧での圧迫治療が治療選択肢となると考えられた.