2015 年 10 巻 4 号 p. 238-244
在宅療養をしていた終末期がん患者の食事と調理の現状について,介護者を対象に調査を行った。神戸の5つの診療所で治療され,自宅で死亡した200名を対象として,患者遺族(主介護者)に質問紙を2014年2月に発送した。回収率は66%,遺族の平均年齢は62歳だった。全体の57%の遺族が,患者の食事について負担感を感じていた.負担感の決定因子は,1)医療者から食べ方の指導をうけた経験(P=0.012),2)家族として療養中の食事を調理することに難しさと(P=0.001),3)食欲が低下した患者に食事を食べさせることに難しさを感じていたことだった(P=0.004).終末期がん患者の食事,調理についての知見はまだ不十分でさらに今後の研究が必要である.