Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
メサドンから他のオピオイド鎮痛薬への切り替えに関する検討—メサドンが飲めなくなったらどうするか—
板倉 崇泰松田 良信岡山 幸子遠野 かおり日吉 理恵吉田 こずえ木村 祥子野間 秀樹
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2015 年 10 巻 4 号 p. 245-250

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抄録
【緒言】本邦で使用可能なメサドンは内服薬のみで,内服困難となった際の対応はよく知られていない.【目的】メサドン内服困難となった際の鎮痛対応,他のオピオイド鎮痛薬への変換比率を明らかにする.【方法】緩和ケア病棟においてメサドン内服不可能となったのち亡くなった28例の鎮痛対応について後方視的に検討した.【結果】21例(1日以上生存,痛みあり)は他のオピオイド鎮痛薬に切り替え,うち10例はメサドンが血中からほぼ消失したと考えられる7日以上生存した.疼痛評価困難であった3例を除く7例(全例,モルヒネの持続注入)において,メサドン最終内服量から切り替え7日後の経口モルヒネ換算投与量への変換比率は平均6.1であった.【結論】メサドン内服困難となっても,長い血中消失半減期を考慮し,痛みがなければすぐに他の注射オピオイド鎮痛薬に切り替えず経過をみて,必要に応じ,変換比率6.1を目安に切り替えていくとよい.
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© 2015 日本緩和医療学会
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