Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
わが国のホスピス・緩和ケア病棟における遺族ケアサービスの実施状況と今後の課題─2002年調査と2012年調査の比較─
坂口 幸弘
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2016 年 11 巻 2 号 p. 137-145

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抄録
【目的】ホスピス・緩和ケア病棟での遺族ケアサービスの現状と課題を把握するとともに,2002年調査との比較によって,この10年間での変化を検討することが本研究の目的である.【方法】2011年12月末日時点での緩和ケア病棟入院料届出受理施設を対象とし,看護師長宛てに2002年調査と同じ質問紙を送付した.その結果,156施設から回答が得られた(回収率:68.7%).【結果】最も多く行われていた遺族ケアサービスは手紙送付で78%,次いで追悼会が73%であった.10年前に比べ実施施設の割合はやや減少した.今後の課題に関して,「組織としての体制の整備」との回答が最も多く,10年前と同じ71%であった.「教育の充実」や「遺族のニーズ調査」との回答には減少がみられた.【結語】ホスピス・緩和ケア病棟での遺族ケアサービスの実施状況が示されたとともに,解決に向かいつつある問題や手つかずの課題が示唆された.
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© 2016日本緩和医療学会
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