Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
訪問看護師が捉えた利用者遺族を地域で支える上での課題
工藤 朋子古瀬 みどり
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2016 年 11 巻 2 号 p. 201-208

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抄録

【目的】訪問看護師が捉えた利用者遺族を地域で支える上での課題を明らかにする.【方法】全国の訪問看護ステーション1,000件を対象に質問紙郵送調査を実施した.【結果】211件の自由記述を分析し,《グリーフケアはボランティアのため継続が難しい》《遺族アセスメントの不足,紹介する社会資源がわからない》《遺族に関わることに抵抗感がある》《個人情報保護により支援しにくい》遺族に対する《フォーマルサポートが構築されていない》《インフォーマルサポートが構築されていない》など8の課題が見出された.【結論】日本のグリーフケアは制度としての位置づけがなく,収益につながらないため,訪問看護師は遺族の状況が気になるものの,継続した関わりに限界を感じていた.グリーフケアを積極的に行っている事業所,遺族の見守りを地域包括支援センターなどへ引き継いでいる事業所は,保険点数で評価していくことが課題として示された.

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© 2016日本緩和医療学会
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