2016 年 11 巻 2 号 p. 906-909
【目的】当院緩和ケアチーム(以下PCT)が介入している患者のうち約3割がリハビリテーション(以下リハ)科依頼されている.これらの患者についてADLの変化と転帰について現状調査をおこなった.【方法】1年間に当院PCTが介入していた患者のうちリハ依頼があった患者について,リハ内容,介入時のBarthel Index(以下B.I.)と終了時のB.I.,転帰について後方視的に調査した.【結果】対象患者は86名(平均年齢は65.4歳),抗がん治療が行われていたのは42名であった.B.I.は,上昇35%,不変20%,低下45%で,転帰は自宅退院20.9%,死亡47.7%,転院30.2%であった.B.I.低下群では死亡,転院が多かった.【考察】進行がん患者は治療や症状により容易にADLが低下し回復に時間がかかる.多職種チームでリハの目標を適切に設定しADL,QOLを維持する工夫が重要である.