2018 年 13 巻 2 号 p. 129-138
【目的】高齢がん患者に対する在宅緩和ケアの年齢別の特徴を明らかにすること.【方法】2013年6〜11月に訪問診療を受けたがん患者1,032名を対象に後方視的カルテ調査を実施した.非高齢者群(65歳未満),前期高齢者群(65〜74歳),後期高齢者群(75〜84歳),超高齢者群(85歳以上)に分け,患者背景,患者・家族の問題,転帰,受けた医療行為や公的サービスについて比較検討した.【結果】介護者不在の割合が超高齢者群では18%と高く(p=0.014),介護の負担に関する問題は後期高齢者群,超高齢者群で多かった(それぞれ,32%,33%,p=0.002).訪問看護や訪問介護の利用は後期高齢者群(それぞれ,86%,30%),超高齢者群(それぞれ,89%,35%)で多かった(それぞれ,p=0.003,p=0.003).【結論】後期高齢者,超高齢者では介護面で問題を有し,訪問看護・訪問介護の利用が多かった.